Research Theme
2010 - present (at ISSP)
エキゾチック超伝導体のギャップ対称性
フラストレート磁性体におけるトポロジカル励起
多極子自由度が誘起する新奇量子相
量子臨界点近傍における異常金属状態
極限環境下における磁場角度分解物性測定装置の開発
2004 - 2010 (at Kyoto Univ.)
Sr2RuO4 とその共晶体の超伝導特性
Experimental techniques
極低温・磁場方位精密制御下における比熱・磁化・磁気トルク・磁歪・磁気熱量効果・交流帯磁率・電気抵抗、圧力下物性測定など
Recent topics
- 【 2020年3月 】 PrTi2Al20の強四極子秩序における磁場方位効果
- PrTi2Al20は立方晶の非磁性Γ3結晶場基底状態を持ち、TQ=2 Kで比熱の飛びを伴う強四極子秩序状態に相転移することが知られています。最近、NMR測定から強四極子秩序状態において[001]あるいは[110]方向に磁場をかけていくと2 T付近で1次相転移が起きることが明らかにされました。この結果は磁場中での四極子秩序変数の不連続な変化を示唆しており、従来の四極子秩序模型では期待されない現象です。[111]方向の磁場下では磁場誘起の相転移は観測されず、PrTi2Al20の温度磁場相図は異方的であることも分かっています。こうした予想外の現象は、磁場に依存する四極子間相互作用を現象論的に導入することで、それとゼーマン効果の拮抗により説明できるのではないかという興味深い指摘がされました。本研究では、PrTi2Al20の異方的な磁場誘起秩序相の実体に迫るために、理論計算可能な熱力学量である比熱とエントロピーの磁場角度変化を詳しく調べました。立方晶の[001], [111], [110]軸を含む(1-10)面内で磁場を回転させながら測定を行った結果、1 T以上の磁場を[111]方向から僅かに傾けるとTQでの相転移がクロスオーバーに変化すること、[001]方向とは対照的に[110]方向では励起状態とのエネルギーギャップが低磁場領域では大きく変化しないことが明らかとなりました。実験結果と良く一致する比熱の磁場強度・磁場角度変化を前述の現象論的な模型を用いた理論計算から得ることにも成功し、磁場に依存する異方的な四極子間相互作用の存在は本実験結果とも矛盾しないことを報告しました。結果をまとめた論文はJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。
- 【 2019年7月 】 SrxBi2Se3におけるネマティック常伝導状態の証拠
- 近年、銅酸化物や鉄系化合物、重い電子系物質などにおいて、結晶の回転対称性を破る新奇な電子状態(いわゆるネマティック電子状態)の研究が盛んに行われています。中でも、母物質がトポロジカル絶縁体であるビスマス・セレン化合物CuxBi2Se3においては、結晶の回転対称性を破る「ネマティック超伝導」が見出され、新しい種類の対称性の破れを伴う超伝導として注目を集めています。我々は、CuサイトをSrに置き換えたビスマス・セレン化合物SrxBi2Se3に着目し、その電子状態の異方性を磁場角度分解比熱測定から詳細に調べました。その結果、本物質では超伝導転移温度より高い温度からネマティック電子状態が実現していることを突き止めました。常伝導状態にもかかわらずSrxBi2Se3において比熱の2回対称の磁場角度振動が観測された理由として、スピン軌道相互作用が強く働くネマティック相で準粒子状態密度の異方性が大きくなったためにゼーマン効果が顕著に磁場角度に依存した可能性を提案しました。本研究成果はビスマス・セレン化合物におけるネマティック超伝導とその電子状態の関係に迫る上で重要な実験事実であり、結果をまとめた論文はPhysical Review Letters誌に掲載されました。 ⇒もっと読む
- 【 2018年8月 】 Sr2RuO4の超伝導秩序変数の再検証:超伝導ギャップに水平ラインノードが存在
- Sr2RuO4は大変珍しいカイラルp波超伝導体の有力候補として長年注目されてきましたが、近年それに反する実験事実も複数報告されています。その最たる例が面内磁場下で生じる超伝導1次転移です。低温でHc2の抑制を伴うことから「パウリ常磁性効果」が連想されますが、現状のスピン三重項超伝導シナリオとは相容れません。また、擬2次元フェルミ面でカイラルp波超伝導が起きた場合、超伝導ギャップは対称性に守られたノードを持ちませんが、ラインノードの存在を示唆する実験結果も数多く報告されています。そこで我々は、Sr2RuO4の超伝導ギャップ構造の解明を目指して磁場角度分解比熱測定を行いました。ab面内回転磁場中では4回対称の比熱振動が低温で観測されますが、60 mKの極低温まで測定を行った結果、低磁場の比熱振動は符号反転することなく観測され続けることを新たに見出しました。本結果は、有力視されてきた縦ライン状のギャップ極小を持つ超伝導体に期待される振る舞いとは定性的に異なります。そこで、水平ラインノードギャップを仮定して微視的理論に基づく数値計算を行ったところ、フェルミ速度に異方性があれば比熱測定結果を定性的に再現できることを見出しました。さらに、パウリ常磁性効果を仮定すれば、より良い一致が得られることも明らかにしました。本研究成果はSr2RuO4の超伝導秩序変数に再考を促すものであり、結果をまとめた論文はJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。 ⇒もっと読む
- 【 2018年6月 】 磁場回転に伴う磁気熱量効果を利用した磁場角度分解エントロピー測定法
- エントロピーは基礎的な熱力学量であり、系の縮重度を反映する重要な物理量です。一般に、エントロピーは比熱の温度変化から見積もることができますが、磁場角度変化まで高分解能に調べるためには複数の磁場方位で比熱の温度依存性を測定する必要があり、測定に膨大な時間を要する点が問題でした。我々は磁場回転に伴う磁気熱量効果を精密に測定することでエントロピーの磁場角度依存性を比較的短い時間で高分解能に測定できる新たな手法を開発しました。ベンチマークとしてスピンアイス物質Dy2Ti2O7の磁場角度分解エントロピー測定を行った結果、スピンフリップ転移の角度依存性を高精度に検出し、モンテカルロ数値計算結果とも良く一致することを示しました。磁場回転測定に加え、従来の磁場掃引に伴う磁気熱量効果も測定すれば、エントロピーの磁場・磁場角度マップを作成することも可能です。今回開発した実験手法は、巨視的な縮退度を有するフラストレート磁性体や多自由度を有する固体凝縮相など様々なエキゾチック現象の研究に有用であり、幅広い分野の研究に新たなアプローチを提供するものとして期待されます。本研究成果をまとめた論文はJournal of the Physical Society of Japan誌に掲載されました。 ⇒もっと読む
- 【 2017年12月 】 多バンド鉄系超伝導体FeSeのギャップ構造
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磁場角度分解比熱測定から鉄系高温超伝導体FeSeの超伝導ギャップ構造について詳しく調べました。低温比熱の磁場依存性は3つのギャップの存在を示唆する特徴的な振る舞いを示し、比熱の磁場角度依存性から一番小さいギャップには2本の縦状のラインノード(あるいはギャップ極小)が存在していることを見出しました。本結果は鉄系高温超伝導体のエキゾチックな性質や対形成メカニズムを理解する上で重要です。本研究成果をまとめた論文はPhysical Review B誌に掲載されました。
- 【 2017年9月 】 U0.97Th0.03Be13の超伝導多重相
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UBe13のUサイトをThで僅かに置換するとゼロ磁場比熱に2段転移が現れることが知られており、超伝導多重相が実現する系として期待されています。本研究では、比熱に2段転移が現れるU0.97Th0.03Be13の磁場角度分解比熱測定および磁化測定を行いました。その結果、UBe13と同様に低温低磁場相では目立った低エネルギー準粒子励起が観測されず、U0.97Th0.03Be13の超伝導多重相内部でもフルギャップの超伝導状態が実現していることが分かりました。本結果はU1-xThxBe13の超伝導多重相における秩序変数を決定する上で重要な情報となります。本研究成果をまとめた論文はPhysical Review B誌に掲載され、Editors' Suggestionに選ばれました。
- 【 2017年9月 】 URhGeの磁場角度分解磁化
- URhGeは、強磁性と超伝導の二つの状態が一つの物質内で発現する物質です。この物質にb軸方向から5度以内の狭い角度範囲に磁場をかけると、超伝導が一度壊れてしまいますが、さらに強い磁場かけると再び出現するという、磁場による特異な超伝導増強現象(リエントラント超伝導)が見つかっています。一方、同様の狭い磁場角度範囲で、磁気スピンの一次相転移が起こることが予言されており、この相転移の起点である三重臨界点の揺らぎがこの現象のカギを握っていると言われていました。これまで盛んに三重臨界点の研究が試みられてきましたが、磁場角度を高精度(0.1度)に調整しなければ正確に観測できないため、測定は困難でした。今回、我々は極低温・高磁場下で試料の角度を0.01度の精度で制御できる2軸回転機構を備えた磁化測定装置を開発し、磁化からURhGeの三重臨界点を捉え、三次元相図の作成に成功しました。この相図から三重臨界点はこれまで予想されたよりも超伝導状態から離れた高温にあり、三重臨界点の揺らぎは超伝導に直接影響しない可能性を示しました。本研究成果をまとめた論文はPhysical Review B誌に掲載され、Editors' Suggestionに選ばれました。(posted by S.N.) ⇒もっと読む
- 【 2016年8月 】 CeCu2Si2の超伝導ギャップ構造と磁場中対破壊効果
- 2014年にPhys. Rev. Lett.誌に掲載された論文でd波超伝導体の有力候補CeCu2Si2が予想に反してフルギャップ伝導体であること、および磁場中で比熱と磁化に異常を伴う対破壊効果が起きていることを報告しました。こうしたCeCu2Si2の超伝導をより深く理解するために極低温比熱・磁化の温度・磁場・磁場方位依存性を詳しく調べた結果、比熱と磁化の磁場中異常はいずれの磁場方位でも熱力学的関係式を満たしながら低温高磁場領域で発現していることを確認し、超伝導状態の異常であることを明確にしました。また超伝導ギャップ構造に関して、ab面とac面のいずれの回転磁場中でもギャップ異方性を示唆する比熱異常は観測されず、超伝導ギャップにノードがないことを支持する結果を新たに報告しました。これまでCeCu2Si2ではゼロ磁場における比熱と核磁気緩和率1/T1が温度のべき乗に比例してみえることからギャップにラインノードを持つ超伝導が有力視されてきましたが、多バンド模型を用いればフルギャップでも実験結果を比較的良く再現できることを示しました。 本論文はPhysical Review B誌に掲載されました。 ⇒もっと読む
- 【 2016年8月 】 重い電子系超伝導体の磁場角度分解比熱
- "Angle-resolved heat capacity of heavy fermion superconductors"というタイトルで、磁場角度分解比熱測定から重い電子系超伝導体の主にギャップ対称性を研究した成果をreview論文にまとめました。本論文にはT. Sakakibara et al., J. Phys. Soc. Jpn. 76, 051004 (2007)の出版後から2015年までに得られた成果がまとめられています。本論文はReports on Progress in Physics誌のReport on Progressとして掲載されました。 ⇒もっと読む
- 【 2016年7月 】 磁場角度分解比熱の全方位測定から明らかにしたUPd2Al3の超伝導ギャップ構造
- 磁場角度分解比熱測定はバルク超伝導体のギャップ構造を決める上で極めて有用な研究手法です。今回我々は反強磁性超伝導体UPd2Al3の磁場角度分解比熱が、ab面内では目立った振動を見せない一方でac面内では2回対称の振動を示し、その振動が磁場の上昇に伴い肩・ハンプとその構造を変えながら高磁場で異方性を反転させることを見出しました。この一連の比熱振動の磁場変化は、ギャップに水平ラインノードを仮定した数値計算結果と極めて良く一致することが判明し、水平ラインノードを持つ超伝導体に典型的な特徴であることが分かりました。本研究は、対形成メカニズムを解く鍵となるUPd2Al3のギャップ構造を明らかにしただけでなく、これまでに報告例が少なかった磁場角度分解比熱測定による水平ラインノードの検証方法を確立した点でも重要です。本研究成果をまとめた論文はPhysical Review Letters誌に掲載され、Editors' Suggestionに選ばれました。 ⇒もっと読む
Selected publications
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Quasi-particle evidence for the nematic state above Tc in SrxBi2Se3(preprint: arXiv:1902.08903)
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Disorder-sensitive node-like small gap in FeSe(preprint: arXiv:1808.05369)
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Searching for gap zeros in Sr2RuO4 via field-angle-dependent specific-heat measurement(preprint: arXiv:1807.08909)This paper is OPEN SELECT. You can download it freely.
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Field-rotational magnetocaloric effect: a new experimental technique for accurate measurement of the anisotropic magnetic entropy(preprint: arXiv:1805.07940)
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Gap structure of FeSe determined by angle-resolved specific heat measurements in applied rotating magnetic field(preprint: arXiv:1707.00547)
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Quasiparticle Excitations and Evidence for Superconducting Double Transitions in Monocrystalline U0.97Th0.03Be13(preprint: arXiv:1709.00128)This paper was selected for an Editors' Suggestion.
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Wing structure in the phase diagram of the Ising Ferromagnet URhGe close to its tricritical point investigated by angle-resolved magnetization measurements(preprint: arXiv:1709.00135)This paper was selected for an Editors' Suggestion.
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Thermodynamic study of gap structure and pair-breaking effect by magnetic field in the heavy-fermion superconductor CeCu2Si2(preprint: arXiv:1608.00680)
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Angle-resolved heat capacity of heavy fermion superconductorsInvited paper in a special issue on Strongly Correlated Electron Systems.
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Omni-directional measurements of angle-resolved heat capacity for complete detection of superconducting gap structure in the heavy-fermion antiferromagnet UPd2Al3This paper was selected for an Editors' Suggestion.
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Evidence for chiral d-wave superconductivity in URu2Si2 from the field-angle variation of its specific heat(preprint: arXiv:1511.06060)This paper was selected for an Editors' Choice.
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Field-Orientation Dependence of Low-Energy Quasiparticle Excitations in the Heavy-Electron Superconductor UBe13(preprint: arXiv:1411.1504)
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Sharp Magnetization Jump at the First-Order Superconducting Transition in Sr2RuO4(preprint: arXiv:1410.0798)
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Multiband superconductivity with unexpected deficiency of nodal quasiparticles in CeCu2Si2(preprint: arXiv:1307.3499)
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Thermodynamic study of nodal structure and multiband superconductivity of KFe2As2(preprint: arXiv:1312.2660)This paper is OPEN SELECT. You can download it freely.
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Verification of anisotropic s-wave superconducting gap structure in CeRu2 from low-temperature field-angle-resolved specific heat measurements(preprint: arXiv:1311.4050)This paper is OPEN SELECT. You can download it freely.
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Singlet-triplet crossover in the two-dimensional dimer spin system YbAl3C3(preprint: arXiv:1307.3494)
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Anomalous Field-Angle Dependence of the Specific Heat of Heavy-Fermion Superconductor UPt3(preprint: arXiv:1212.3038)This paper was selected for an Editors' Choice.
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Superconducting gap structure of CeIrIn5 from field-angle-resolved measurements of its specific heat(preprint: arXiv:1111.5388)This paper was selected for an Editors' Suggestion & a Synopsis in Physics.
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Evaluation of Spin-Triplet Superconductivity in Sr2RuO4(preprint: arXiv:1112.1620)JPSJ Special Topics. You can download it freely.
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Higher-Tc superconducting phase in Sr2RuO4 induced by uniaxial pressure(preprint: arXiv:1004.3705)
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Angular dependence of the upper critical field of Sr2RuO4(preprint: arXiv:0906.2513)
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Large Enhancement of 3-K Phase Superconductivity in the Sr2RuO4-Ru Eutectic System by Uniaxial Pressure(preprint: arXiv:0906.2514)
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Spatial Development of Superconductivity in the Sr2RuO4-Ru Eutectic System(preprint: arXiv:0905.2009)
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Multiple superconducting transitions in the Sr3Ru2O7 region of Sr3Ru2O7-Sr2RuO4 eutectic crystals(preprint: arXiv:cond-mat/0607151)